LOUVRE - DNP MUSEUM LAB
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エジプトの文化について
ルーヴル - DNP ミュージアムラボ 第8回展 来世のための供物展 古代エジプト美術から読み解く永遠の生への思い
ここではサケルティのステラに関連するエジプトの文化についてご紹介致します。
家庭生活 食事と宴会 有力者の食事
© Musée du Louvre / Christian Décamps
結婚
ファラオの時代のエジプト人の結婚は、私たちが知っているような、現在の結婚の形態とはかけ離れたものでした。結婚とは、夫婦の身分を法的に定める簡単な行政上の行為で宗教的な意味合いはありませんでした。同じ屋根の下で住む男女であれば、夫婦と認められていたのです。一般の古代エジプト人は一夫一妻制でしたが、王には一夫多妻が許され、多くの女性を娶っていました。
紀元前1千年紀に入ると、夫婦の関係は契約によって定められるようになります。契約書には、夫婦それぞれの財産がリスト化されたため、和解による協議離婚がしやすくなりました。
家庭を築く
エジプト美術では、家族は夫婦と同様にあらゆる所に描かれています。家族が集まって活動する場面では、親子や兄弟の深い絆が表されています。狩猟や釣りの場面では,例えば父親が鳥を狩っている間に、子供達が遊び、母親が音楽を演奏するというように、家長が夫人と子供達に囲まれているところが生き生きと描写されています。また、日常の仕事の場面には、息子たちを連れている父親の姿がよく描かれます。人物の称号の研究から、親から子へと引き継がれる職務が多くあったことが明らかになっています。
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© Musée du Louvre / Christian Décamps
来世の食事
葬祭の食事風景はどの墓にも必ず描かれており、死者が来世でも地上の食べ物を永遠に享受できるように考え出された巧妙な手段でした。また私たちが古代エジプトの食習慣を知るための貴重な情報を提供してくれています。食事の場面は決まって、支柱に載せられた石のテーブルの前に、人物が描かれていて、テーブルには、当時の典型的な食べ物であったパンが盛られています。その周りには、パンや、牛肉などの赤身の肉、鳥肉、ワイン、ビールといった、良質の食事に必要とされた様々な食べ物が、リストや図像で表されています。人物は、常に食べ物に片手を差出した状態で表されますが、これは供物を受け取る行為を象徴しているのです。
宴会
新王国時代の墓には、大勢の客が招待される宴会の場面が数多く描かれています。宴会の主は盛装して、この機会のために着飾り、化粧をしてやって来た客をもてなし、召使たちがお世話をしています。この種の宴会は、音楽、歌、踊りが披露され、非常に裕福な人たちの間で催されました。
一方、庶民は、身内だけで、簡単な、おそらくつましい食事を取っていました。パンと野菜をベースにし、川で釣った魚が添えられました。貧しい人々の食卓に肉が上ることはありませんでした。
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© RMN / Christian Larrieu
テプエムアンク
古王国時代に生きたこの高官は、自分の墓の壁に、来世で食べたい供物のリストを彫らせました。ピラミッド建設の時代の裕福な人々の食卓に並べられていたと思われるものが全て描かれており、当時の食卓を極めて完全な姿で示してくれる資料となっています。
品書き
このリストは、上から下へ、右から左へと読んでいきます。升目の中にはそれぞれ、品物の名前とその数量が示されています。
パンや菓子類が多く、「ウト」パン、パン屋のパン、「ヘタ」パン、「ネヘル」パン、「デペティ」パン、「ペゼン」パン、「シェネス」パン、四角い炉で焼いたパン、「ヘネフ」パン、「ヘベヌウト」パン、「パト」菓子、焼きパン、「ジフ」パン、「シャウト」菓子、「ネパト」菓子、「メスウト」菓子、白い大麦、焼きセリアル、ババウトの種などがあります。
ここに列挙されている様々なパンの名前は、おそらく形や生地の種類に対応している思われます。
一方肉類は、「スウト」肉、牛の肩肉、牛の腿肉、腎臓、牛の骨付リブロース、ロースト、肝臓、脾臓、胸部肉、「チェレプ」ガチョウ、「ゼト」ガチョウ、カモ、コキジバトが挙げられており、裕福な人々の食卓では、圧倒的に赤身の肉が多かったことが分かります。
果実や野菜の種類は少なく、玉ねぎ、「イシェド」の実、「ジュジュべ」の実、「ジュジュべ」のペースト、イナゴマメ、イチジクなどが登場します。飲み物では、白ビール1壺、「ケンメス」ビール1壺、ミルク・ビール数日分、「ペハ」飲料数日分、「セシェル」飲料数日分、ワイン数日分、壺に入ったビール数日分、と記されています。これらは、来世での死者の理想的な食事に必要な91品が列挙された長いリストから抜粋したものです。
文章は、リストの要約のようなもので締め括られています。「千のパン、千の菓子、千の牛の頭部、千の鴨の頭部を」。来世に向かう死者の長旅の準備は、こうして整うのです。
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『L’Égypte est au Louvre』からの抜粋
著者:ダニエル・スーリエ
出版者:ルーヴル美術館出版局/Somogy
発行日時:2007年
著者と出版者の協力に感謝いたします。
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