LOUVRE-DNP MUSEUM LAB
レクチャー・ルーヴル開催のお知らせ

レクチャー・ルーヴルの受付は終了いたしました。 たくさんのお申し込みありがとうございました。

ルーヴル美術館によるシリーズ講演会「レクチャー・ルーヴル」

ティツィアーノの《うさぎの聖母》:聖会話から聖なる詩情へ

《うさぎの聖母》は、「聖会話」というジャンルの、小さい、または中くらいのフォーマットのものに属し、それはキリスト教の伝統で、私的な環境での祈りのための絵でした。このジャンルは聖母マリア信仰に特有のジャンルで、そこではキリストの母が、息子のイエスを抱く姿が描かれます。また、注文主の要望により、聖母は、注文主本人やその家族の洗礼名と同じ名前、ということから選ばれた1人、または数人の聖人に囲まれています。

「聖会話」は、15世紀後半から16世紀にかけてヴェネツィアの領土において著しい発展を遂げます。この絵はヴェネツィアで大変な人気を得、特筆すべき質の向上をはかりました。このジャンルは特にジョヴァンニ・ベッリーニ(1430/35年頃‐1516年)が発達させ、彼の弟子たち、そのなかでも特に優秀だったチーマ・ダ・コネリアーノ(1459/60年頃-1517/18年頃)やパルマ・ヴェッキオ(1480‐1528年)、ロレンツォ・ロット(1480‐1557年)、セバスティアーノ・ルチアーニ(後に通称セバスティアーノ・デル・ピオンボ、1485年頃-1547年)、ボニファチオ・ヴェロネーゼ(1487年頃‐1553年)、そしてティツィアーノ(1488/1490年‐1576年)が、ジョルジョーネ(1478年頃‐1510年)がヴェネツィアにもたらした写実主義を取り入れながら、聖なる詩情の様相を与えました。ティツィアーノの《うさぎの聖母》はその進展のもっとも感動的な一例なのです。

  講演会詳細  
  日時 2007年10月27日(土) 14:00-15:00
  講師 ジャン・アベール(ルーヴル美術館絵画部門主任学芸員)
  アクセス
東京都品川区西五反田3-5-20 DNP五反田ビル1F
・JR山手線・都営地下鉄浅草線・東急池上線五反田駅 徒歩6分
・JR山手線・東京メトロ南北線目黒駅 徒歩8分
・東急目黒線不動前駅 徒歩7分
アクセスマップ
  定員 100名(満員となり次第締切とさせていただきます)
  参加無料




《聖母子と聖カテリナと羊飼い》 通称《うさぎの聖母》
1525-1530年頃
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
ピェーヴェ・ディ・カドーレ1488/1490年―ヴェネツィア、1576年
パリ、ルーヴル美術館蔵
ルーヴル-DNPミュージアムラボ第3回展 ≪うさぎの聖母≫ 聖なる詩情  2007.10.27(SAT)~2008.3.1(SAT) 

ルーヴル - DNP ミュージアムラボの第3回展では、ティツィアーノの代表作、《うさぎの聖母》が日本初公開で登場します。今回のミュージアムラボの体験は、ルーヴル美術館学芸員のジャン・アベールが語る《うさぎの聖母》の物語にそって進行します。16世紀、作品が生まれた当時、ヴェネツィアの人々がその作品を目の前にしたときに抱いた印象、感情、感覚を体感し、同じ視線で作品を見つめます。作品の中に入っていくような感覚を生み出す視覚・聴覚装置が、当時の空気に包みこむような空間を実現。美しい自然描写の中に隠れる聖母子像が織りなす「聖なる詩情」の魅力が、少しずつ解き明かされていきます。
© 2007 Musée du Louvre / Angéle Dequier

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