プロジェクト概要
大日本印刷では2006年より「DNPミュージアムラボ」を展開し、技術的な側面からミュージアムの機能を高め、文化・芸術に誰もが親しめるようデジタル技術を活用した手法を提供してきました。
最初のパートナーであるルーヴル美術館とは、異文化および多言語の方々も対象として、作品への理解を促す背景情報を提供するマルチメディアの研究と開発を行いました。その一部は現在もルーヴル美術館で活用されており、インタラクティブなシステムを鑑賞補助に導入した先駆的な事例として、国内外の専門家から評価をいただいています。
次いでフランスの国立図書館BnFとの取り組みでは、同館が所蔵する貴重な天球儀と地球儀の高精細な三次元デジタル化を行いました。同館が運営する電子図書館サイト「ガリカ」で三次元データの公開が実現し、収蔵品へのアクセシビリティが飛躍的に改善されました。
フィンランド国立アテネウム美術館とのプロジェクトは、美術鑑賞の本質により深く迫ろうとするものです。美術鑑賞を脳の機能と照らしあわせ、ポジティブな作用をもたらす鑑賞プログラムの開発をめざして、超高齢化社会を未来志向で捉えるアクションモデルとしてフィンランドと日本の双方で実践していきます。
同館とは、フィンランドの国民的な画家ヘレン・シャルフベックの作品鑑賞の補助システムを協働で開発し、2015年に日本国内4ヵ所の巡回展で活用した後、2016年3月、アテネウム美術館の常設展示室のリニューアルオープンにあたって導入されました。