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Q1.把手が下のほうにあるのはなぜですか?何か機能として意味があるのですか? |
クラテルの形は様々で、その取手の形によって、柱形クラテル、渦形クラテル、または本体の形によって、鐘形クラテル、萼形クラテルと呼ばれています。この作品のような萼形クラテルは、口が広がっているため、形を引き締めるためか、あるいはおそらく運びやすいように、取手が下方に位置しています。 |
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Q2.ヘラクレスの頭の凹凸は何を表現しているのですか?髪飾りですか、それともくせ毛を表現しているのですか? |
丁寧に整えられたカールのある髪型が塗料を盛り上げて表されています。 |
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Q3.署名など、銘の文字一つ一つが離れているのは、制作上、離れていた方が描き易かったからですか? |
銘のギリシア文字の間隔はだいたい一定しています。陶器画家や陶工によって、あるいは構図上、銘を入れるスペースによって、変わってきます。 |
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Q4.アンタイオスのクラテルは、このままの形で見つかったのでしょうか?それとも破片を集めて修復したのですか? |
19世紀に発見された際には、クラテルは断片から成っていたと思われ、その後復元されました。現在の姿は1989年の修復の成果です。 |
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Q5.当時のワインは赤ワインなのでしょうか? |
古代ギリシア人は、赤ワインを飲んでいましたが、白やロゼも飲まれていました。 |
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Q6.壺に描かれている模様にはどんな意味があるのでしょうか? |
パルメット紋様などの装飾モチーフは、壺の異なる部分を際立たせ、装飾を構成する役割があります。 |
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Q7.どこに置かれていたのでしょうか? |
クラテルは、シュンポジオン(饗宴)が催された広間の中央の床またはテーブルの上に置かれていました。 |
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Q8.誰が使っていたのでしょうか? |
こうした陶器は、シュンポジオン(饗宴)の際にギリシア人が用いたものです。アンタイオスのクラテルのような壺は、エトルリア(イタリア)で数多く発見されています。富裕なエトルリア人が所有し、死後には副葬品として用いられました。 |
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Q9.元はどんな色だったのですか? |
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Q10.どのように描かれたのですか? |
装飾を施すために陶器画家は、通称「黒ニス」と呼ばれる顔料を塗りました。粘土を主成分とし、焼くと金属のような光沢を放つ黒に焼きあがります。 |
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Q11.この形には何か意味があるのですか? |
壺の形は用途によります。クラテルは、中身を汲みやすいように口が広くなっています。 |
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Q12.描かれている人物は誰ですか? |
ゼウスの子である英雄ヘラクレスが、巨人アンタイオスと戦っています。 |
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Q13.重さはどのくらいあるのですか? |
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Q14.何でできているのですか? |
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Q15.どこで発掘されたのですか? |
イタリアのチェルヴェーテリで発見されました。ギリシアの壺は広く古代世界に輸出されましたが、とりわけエトルリア(イタリア)で多く発見されています。多くのギリシア陶器は、エトルリアの貴族の墓から見つかっています。 |
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Q16.壺の内側は何色ですか?また絵も描かれているのですか? |
クラテルの内部は装飾されていません。黒色で塗られ、5つの円の形だけが地の赤色のまま残されています。 |
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Q17.当時の葡萄酒は現代のワインより、アルコール度数は高かったのですか? |
当時の葡萄酒のアルコール度数は、現在とあまり変わらなかったようです。 |
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Q18.葡萄酒には、水と香料が混ぜられたとありますが、どのような香料が用いられたのですか? |
葡萄酒は、赤も白も、水で割って蜂蜜やタイム、シナモン、月桂樹のような香料を入れて飲みました。 |
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Q19.例えば、同じような作品を購入したい場合、いくらくらいなのでしょうか? |
ルーヴル美術館に所蔵されている、こうした傑作とされる作品には値段を付けることはあまりありません。 |
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Q20.壺に書いてある数字はなんですか?(確認したところ、クラテル側面取っ手の下に748と書かれていました) |
この番号は作品の所蔵番号です。この壺は、1861年にフランスが取得したカンパーナ・コレクション(La collection Campana)に由来し、CP748番として登録されています。 |
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Q21.左の男性が足を乗せている台は何でしょうか? |
男性は壇に上がって双管笛(アウロス)を演奏しようとしています。ベマと呼ばれるこの台は狭いので、演奏者はその上ではほとんど動くことができません。 |
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Q22.表面と裏面の絵には関係があるのですか? |
二つの場面は特に関係していません。ただ、アッティカ地方の赤像式陶器の「先駆者たち」と呼ばれる画家たちは、多くの場合、表面には神話場面を、裏面には日常場面を描いています。二つの場面は、把手の上に描かれたパルメット装飾で仕切られています。 |
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Q23.壺の容量はどれくらいあるのですか? |
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Q24.どこで制作されたのですか? |
制作地はアテナイです。アテナイは陶器産業の中心地の一つで、市内の「陶工地区」には、陶器画家と陶工の工房がひしめいていました。 |
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Q25.どういう経緯で作品が今日まで残ってきたのでしょう? |
19世紀のイタリア人収集家、ジャンピエトロ・カンパーナ侯爵が所有していました。彼は、数千に及ぶ古代の壺を所蔵し、カンパーナ・コレクションの一部は、1861年にフランス(ナポレオン3世)によって買い取られ、その後、ルーヴル美術館をはじめ、フランス国内の様々な美術館に収蔵されました。ルーヴル所蔵のギリシア陶器は、収集家の名にちなむ「カンパーナ・ギャラリー」で展示されています。アンタイオスの壺もこのギャラリーにあります。 |
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Q26.この壺はどのように使われていたのでしょうか? |
宴会で葡萄酒を入れるために使われました。ギリシア人は、この壺で葡萄酒に水と香料を混ぜていました。 |
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Q27.この作品の作者は誰ですか? |
壺の制作には二人の職人が携わっています。陶工エウクシテオスと、赤像式技法の先駆者であった陶器画家エウフロニオスです。 |
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Q28.この作品が作られた背景を教えてください。 |
紀元前6世紀末、アテナイの陶工の工房で作られました。発注した人の名前は分かっていません。 |
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Q29.誰が所有し、使用していたのでしょうか? |
エトルリアの墓地から発掘されたこのクラテルは、おそらくエトルリアの貴族が所有し、宴会に使われていたと思われます。 |
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