LOUVRE - DNP MUSEUM LAB
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ルーヴル美術館工芸品部門
ルーヴル - DNP ミュージアムラボ 第7回展 外交とセーヴル磁器展 ヨーロッパの歴史を動かした華麗な器たち。
工芸品部門では、形や素材、時代も様々な工芸品が織りなす世界を紹介しています。装身具からタピスリー、象牙細工にブロンズ製品、陶磁器や家具にわたる、中世から19世紀前半までの作品を包括するコレクションです。
歴史に彩られた初期のコレクション


斑岩の壺:《シュジェールの鷲》
© Musée du Louvre / E. Lessing
ルーヴルに工芸品を収めることは、国民公会の1793年7月27日の法令に基づいてルーヴル宮に中央美術館が創設された時点ですでに予定されており、王室コレクションに含まれていた数々の家具や工芸品が運び込まれました。ブロンズ小品と宝石類のコレクションは、やや遅れて1796年に加わります。またパリのシテ島のサント・シャペル聖堂とパリ北部近郊のサン・ドニ修道院からもたらされた品々によって、作品数は増加します。特筆すべきは、修道院長シュジェールが集めた壺の数々と、フランス国王の聖別式で用いるレガリア(王権の象徴)が含まれていたことです。

さらに、革命暦2年ジェルミナル月1日(1794年3月21日)の法令で、革命時にフランスを逃れた亡命貴族から没収した財産を美術館に収めることが認められたため、コレクションはさらに充実しました。この初期のコレクションは、革命期や第一帝政期に獲得した戦利品の数々、およびシャルル9世の《楯》や《兜》のような作品を購入したことによってさらに拡大しました。1802年、ドミニク=ヴィヴァン・ドノンが中央美術館館長に就任したとき、工芸品部門はまだ独立した一部門ではなく、古代美術部門に属していました。同部門を率いたのは最初はエンニオ=クイリーノ・ヴィスコンティで、また1818年に彼が亡くなってからはクララック伯爵が引き継ぎました。

その間に、諸般の事情で当初のコレクションは縮小してしまいます。例えば、1798年にサン・ドニ修道院からもたらされた16作品が売却され、ナポレオン1世が自分の宮殿のために徴用したものもあり、また、1815年にはナポレオンの接収した作品が各国に返却されました。
19世紀のコレクションの目覚ましい拡大


アポロンのギャラリー
© Musée du Louvre / A. Dequier
王政復古期の積極的な収集方針によって、例えば1825年には裕福な美術愛好家エドム=アントワーヌ・デュランの、1828年には画家ピエール・レヴォワルの工芸品の数々が加わり、ますます美術館のコレクションは豊かになっていきました。当時の美術館はこうして、中世とルネサンスに関しては、あらゆる技法の美術工芸品の一貫性のあるコレクションを保有することになりました。収集の努力は国王ルイ=フィリップの時代途絶えましたが、それでも1830年に、聖霊騎士団が所有する宝物がルーヴル美術館に加わっています。

1847年にクララック伯爵が亡くなると、美術工芸品コレクションは彫刻と古代ギリシア・ローマ美術のコレクションとともに、1854年に辞任するまでラボルド侯爵に託されました。第二帝政期には、短期間ながら設けられた君主記念美術館によって、美術工芸品コレクションが新たに拡大しました。この美術館は1852年2月15日、帝政の基礎を固める目的でナポレオン3世によって創立されました。この美術館は、キルデリクスからルイ=フィリップに至る時代の作品をまとめたもので、ルーヴル、調度品保管庁およびフランス国立図書館のコレクション、それに寄贈品から構成されていました。学芸員はオラス・ド・ヴィエル=カステル伯爵が勤め、1863年にはアンリ・バルベ・ド・ジュイが引き継ぎました。

この頃、多くの大型コレクションがルーヴルに加わりました。ソヴァジョ・コレクション(1856年)やカンパーナ・コレクション(1861年)などです。君主記念美術館は1872年に廃止され、バルベ・ド・ジュイに次いでエドモン・サグリオ指揮のもと、彫刻と美術工芸品は新たに統合されました。この状態は、工芸品部門が独立する 1893年まで続きました。
代物弁済による大型コレクション
 


マルタン・カルラン(推定)、シャルル=ニコラ・ドダン デュ・バリー夫人の箪笥 1772年頃
© R.M.N./D. Arnaudet
帝政崩壊後、早くも1870年には、チュイルリー宮とサン=クルー城(直後に焼失)にあった作品がルーヴルに収蔵されました。その後コレクションは次第に17・18世紀の作品を補い、エミール・モリニエによって17・18世紀工芸品部門が開設されました。コレクションは、国有調度品保管庁からの分与で1965年まで着々と増えていきます。さらに19世紀末から20世紀初めには、工芸部門の歴史を彩る大型コレクションの寄贈があり、その中には1880年にティエール夫人から遺贈されたアドルフ・ティエールのコレクションも含まれます。

1922年には、サロモン・ド・ロスチルド男爵夫人の遺贈によって、ルネサンス期イタリアとフランスおよび18世紀の作品が充実しました。同部門に加わった初期の時代別コレクションは、とくに中世とルネサンスを専門とするものでした(ダヴィリエ、アドルフ・ド・ロスチルド、およびアルコナーティ・ヴィスコンティの各コレクション)。一方、20世紀初めには17・18世紀のコレクションが充実しました(イザック・ド・カモンド、バジル・ド・シュリクティング)。

この中核をなす貴重なコレクションは、多くの寄贈のおかげで規模が大きくなります(1946年のダヴィッド・ダヴィッド=ヴェイル夫妻、1955年のスタヴロス・S・ニアルコス、1973年のグロッグ=カルヴェン夫妻の寄贈)。次第に豊かになったコレクションは、1981年には財務省の移転で空いた空間に展示されるようになり、そしてナポレオン3世時代に整備された部屋も展示室に加わりました。中世とルネサンスの作品に充てられた新展示室は1993年に開室し、近年充実が著しい19世紀の作品に充てられた空間は1999年に公開されました。
ルーヴル美術館工芸品部門18世紀の新展示室
 
ルーヴル宮の方形中庭(クール・カレ)の北翼に位置する18世紀美術工芸品の新しい展示室は、1945年から72年まで工芸品部長を務めたピエール・ヴェルレが1960年に改装を行って以来、ほとんど手つかずの状態にありましたが、2005年1月より改装工事のために閉鎖されています。

18世紀の美術工芸品のコレクションが大幅に拡大したために、この2000m²の展示スペースを改築が不可欠となりました。セキュリティを最大限に尊重しながら、来館者に最高の展示を提供することが目標です。

コレクションの展示は、できるかぎり豊かな美的で歴史的な流れの中で、作品鑑賞ができるように努めています。特に、作品を詳しく鑑賞する前に、一瞬にして視覚的に作品を取り巻く世界にアプローチできるよう内装に工夫をこらしています。

新しい展示室ではこのような展示空間の演出の中でコレクションと出会えるだけではなく、情報にアクセスしたり、観覧者のオリエンテーション、観覧の指標を与えるためのポイントが設けられる予定です。それらが個人の鑑賞の助けとなり、観覧に必要なコレクションに関する文化・教育的基礎知識が提供されます。
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